ユーザー様がオススメする映画・本をご紹介します。
ネタバレ注意です。
タイトル
「俺たちに明日はない 」
予告はアマゾンプライムビデオで見ることが出来ます。
キャスト
・ウォーレン・ベイティ
・フェイ・ダナウェイ
・ジーン・ハックマン
あらすじ・内容
小さな片田舎で退屈な生活を送る美しい女ボニーのもとに、ある日一人の刺激的な男クライドが現れます。
精悍な姿に、刑務所帰りだという言葉。興味を持った彼女の目の前でクライドは強盗をしてみせ、興奮した二人は強烈な恋に落ちます。
しかし女が苦手だと言うクライド。満たされないながらもボニーは彼について行く道を選ぶのでした。
二人で初めて強盗に入った銀行は倒産したばかりで失敗。
仕方なく食料品店を襲いますが、クライド切りかかられけがをしてしまいます。
その後車に詳しい気の良い青年モスが仲間になりますが、次の銀行強盗の際のモスのミスで、クライドは追ってきた店員を内殺してしまうのでした。
苦悩しながらも彼らはクライドの兄バックとその妻ブランチと合流し旅を続けます、警察に襲撃されひどい銃撃戦になります。
何とか逃げ出し、追ってきた警察官を逆に捕まえ一緒に写真を撮影して新聞社に送り付けたことで、彼ら一味は国中の有名人となるのでした。
その後も強盗を繰り返しますが、その度に警察に追われ、バックが殺されてしまいます。
逮捕されたブランチがモスの名を白状したことにより、クライド、ボニーは警察の仕掛けた罠につとうとうかかってしまうのでした。
ネタバレ
ネタバレを読むこの映画が不朽の名作と呼ばれるのは、そのラストシーン故とも言えるでしょう。
最後モスの父の好意でかくまわれたかにみえたボニーとクライドでしたが、実はモスの父親に憎まれていることに気づきません。
町から帰りの二人。車が故障して困って立往生しているモスの父親に、無防備なクライドが歩み寄りますが、それこそは警察の罠。哀れボニーとクライドは恐ろしい数の銃撃を受けハチの巣状態で死んでしまうのです。
凶悪犯に対する警察の恐怖感、アメリカのドンパチの容赦なさ、それらがみられるのと同時に、彼らに対する打ち上げ花火かのようにも見えます。
このラストをみて、私達は彼らにはこの最後しかなかったことをはっきり理解できるのです。
感想
次々に強盗を繰り返し、派手な銃撃戦を繰り返す、破滅的なカップル。
内容は刺激的なものですが、二人のあまりにも純真な表情、行動、感情に心揺さぶられます。
凶悪犯罪を犯しているのに、彼らを観ていると「無垢」という言葉が何よりぴったりきます。
彼らには善悪という観念がないのです。
成長しなかった子供と同じ。しかしクライドは自分が人を殺してしまった時に、ボニーは年老いた母からの「一生逃げ回るしかないよ」という言葉を聞いた時に。やっと己の罪の重さを実感します。
その時の彼らのうろたえ方はあまりに哀れで残酷です。
この作品のもう一つの見所は、フェイ・ダナウェイ演じるボニーのファッションの美しさです。
銀行強盗に現れる時の彼女のいで立ちはどれもあまりに素晴らしくまとれてしまいます。
白いベレー帽に金のスカーフ、黄色いニットセーターになんとロングタイトスカート!この姿が、銃撃シーンの残酷さを別世界に変えてしまうのです。